マンション管理というものに興味を持つのは築5年を過ぎてから、というのがだいたいの相場のようです。
ですが理想を言えば新築マンションの購入時からすぐに考えることが望ましいと言えます。
なぜなら、
- マンション住民のルールブックである管理規約は売主が作成しており、そのマンションにとってベストであるとは言い切れない。
- 予算についても同様に売主が作成しているため、コストの精査ができていない。
- マンション管理に最初から取り組むことにより、知識のない人へのアナウンス効果が見込める、つまり、無関心層を少しでも減らすことが期待できる。
- 新築マンションは言わば全員が知らない者同士、「良好な資産管理」という共通の目的はスムーズなコミュニティの形成に役立つ。
- 新築マンションでは問題(トラブル)が少ないため、管理の理想像に向けて具体的にイメージしやすい。(余計なしがらみがない)
- 築年数がある程度経過すると、規約違反であっても暗黙の了解や既得権が生じがちである。
ということが言えるからです。
築年数が経過すればするほど組合員の入れ替わりが進み、年齢、経済状況、思考性などが分散していきます。
多様な価値観と事情が混在する中での合意形成と、新築時における合意形成を比べれば、どちらがスムーズなものであるかは自明の理ではないでしょうか。
従って私は、新築マンション購入時からの管理の取組みを推進しています。
また、ある相談会でのこと、相談者の方がこんなことをおっしゃいました。
「販売時は売りやすくするために修繕積立金を安くしておいて、後になって(このままでは足りないと)値上げを(提案)するのは無知の購入者につけこんだ詐欺行為である!」
このような行為はマンションの販売では常識化しており、私は今まで詐欺的な行為という認識はなかったのですが、相談者の方の気持ちもわかります。
確かに原始規約(マンション販売時に渡される管理規約)や初年度予算については、売主の販売時の都合が優先されることも多いです。
新築マンション購入時はいわばイージーオーダーの服に袖を通したばかりの状態であり、入居後に自ら採寸し、快適な住まいへと丈を合わせていくのかもしれません。