不況のため一時の勢いはないものの、新築マンションはどんどん供給され続けています。
最近のトレンドは超高層マンションでしょうか。大阪市内には高さ210m、54階建ての日本一高い分譲マンション「北浜タワー」があり、関西でも超高層マンションは人気が“超高そう”です。
超高層マンションはとにかく共用部分が充実しています。高級ホテル並みのフロント、ゲストルーム、展望ラウンジ、ジムやプールなども珍しくありません。
部屋からの眺望も抜群、日常の喧騒を忘れてクールでゴージャスな私生活が約束されている、こんな生活に誰もが一度はあこがれます。
ところが、視点を少し変えてみると別の姿も見えてくるようです。
以下は、ある超高層マンションオーナーが業界紙に投稿された内容の一部です。
・同じ広さでも階数によってグレードや売価が違うんです。ですから、変な話ですが、エレベーターで住民同士が乗り合わせたとき、触れるボタンによって「勝った」「負けた」の空気が流れるんです。
・騒音は地上から離れるほど少なくなると考えていましたが、実際はその逆で風が想像以上に強くなりうるさいのです。
・涼しさはといえば、部屋の位置にもよるのでしょうが、低層階に住んでいたときに比べ今の48階の方が断然クーラーのお世話になっています。
他にも一般的に言われている超高層マンションのデメリットとして、
・上階と下階では売価が大きく違うため、所得階層の違いにより意見がまとまらない。
・エレベーターに乗る時間が長くなるので、つい出不精になる。
・倒壊などのリスクは低いものの、災害時には救護体制を整えるのが難しい。
・立地条件から見て、近隣に同規模の超高層マンションが建築される可能性がある。その場合、最大のセールスポイントである眺望が阻害されてしまう。
いかがでしょう。超高層マンションはその形状から管理コストや修繕コストが割高になることは早くから指摘されていましたが、生活面でも色々と不便がありそうです。
結局のところ、隣の芝は青く見える、ものは考えよう、ということなのでしょうか。
[2009年8月20日]