近頃のマンション管理に関するセミナーなどに参加すると、最初に必ずと言ってよいほど使われるキーワードに「今、マンションは2つの高齢化を迎えています。建物の高齢化と住人の高齢化です。」というものがあります。
確かにその通りです。
築30年以上経過するマンションはストック全体の20%を超えており、5物件に1物件は高齢化マンションというのが実態です。
建物の高齢化対策は、国としても重い腰を上げており、旧耐震物件に対する各種の施策や法整備が徐々に進みつつあります。
もう少し具体的に言えば、建て替えの促進を進めてみたものの一向に埒が明かないため、次の手として区分所有権の解消または清算を検討し始めています。
私個人としても最終的にはこの方法しかないと思います。
さて、問題は住人の高齢化対策です。
この問題は別にマンション特有の問題ではないわけですが、住人の集合体である管理組合や自治会としては何とか対策を講じておきたいですよね。
管理会社などは高齢者に対する専有部分のサービスをメニューとして用意していますが、あくまでもオプション扱い。管理組合とすれば、そういうサービスを利用しない人のことを考えないといけないわけで…管理会社も商売ですから採算に見合わなければ進められず、本当に難しい問題です。
そこで私、考えてみたのですが、例えば、看護師さんによる巡回サービスなどはいかがでしょうか。
週2回程度、看護師資格を持つ専任担当が、マンションを巡回するというものです。
よくある管理会社の高齢者向け声掛けサービスをグレードアップさせたイメージで、どなたでも相談できる仕組みにすれば管理組合としても費用負担がしやすくなります。
また、声掛けだけなら興味を示さない高齢者も看護師による体調管理サービスなら興味を持ってくれるのではないでしょうか。
看護師さんは現役の看護師さんではない資格を持つ主婦などを採用します。週2回程度なら比較的採用も容易でコストもかからないような気がするのですが。
住人の高齢化対策で実現できそうなことはまだまだありそうです。
このテーマについては引き続き考えてみることにします。
[2013年10月1日]