未曾有の大災害、東日本大震災が発生しました。
被災者の方には心よりお見舞い申し上げます。また、今回は無事だった私たちは東日本の復興に向け、可能な限りお手伝いするとともに、いつ訪れるかもしれない東南海・南海地震への備えを心に刻み付けましょう。
今回は、東日本大震災でのマンションの被害状況をご紹介します。
高層住宅管理業協会(高管協)によれば、東北6県でのマンション管理戸数約9万2千戸のうち、大破(建て替えが必要)はゼロ、中破(大規模な補修が必要)は2.4%で26件、小破(タイルのはく落や外壁のひび割れが発生)が18.8%の208件、ほとんど被害なしが78.8%だったそうです。
阪神・淡路大震災のデータと比較すると、今回の震災は大破や中波の割合が少なく、小破の割合が多いとのこと。
つまり、マンション被害としては、今回の震災の方が軽く済んだということになります。
高管協は、「マンションは都市部に多い。東日本巨大地震で津波の被害を受けた太平洋沿岸部は戸建て住宅が多く、マンションが少なかった。さらに、阪神・淡路大震災のような都市部の直下型地震ではなかったために、倒壊などの致命的な被害を免れた。」
と、分析しています。
とは言え、玄関の変形でドアが開かず住戸に閉じ込められたケースや、鉄骨階段と建物のジョイント部がずれた、漏水が発生したなどといった被害が報告されており、マンションだから安心、とは言い切れず、一定の備えが必要です。
阪神、東日本と近年に私たちは2回の大震災を経験し、今回もマンションは生命維持の観点では災害に強いことが証明されました。
マンション居住者としては胸をなでおろすこととなりましたが、災害に備え、今、何をすべきなのか、もう一度考え直す必要があるように思います。
[2011年3月31日]