4月18日に国土交通省より「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」が発表されました。
ガイドラインとは、法律のような拘束力はないものの、国の政策などに対して、標準的な取り組みや規範、目指すべき目標などを明文化して、具体的な方向性を示すために提示されるものです。
法的拘束力はないのですが、訴訟等になればガイドラインを参考に審理されることがあり、道義的拘束力といいましょうか、関係者にとっては十分にプレッシャーになりうる実質的な行政からの指導です。
今回のガイドラインの制定は、新築マンションの購入者に向け、修繕積立金に対する理解を深め、分譲業者から提示される積立金額の水準を判断するための参考材料として利用してもらうことを目的としています。
販売促進のため修繕積立金を低めに設定し、売り切れば分譲業者は知らんふり、大規模修繕を目前に資金不足で青ざめる管理組合が大量発生している現実への警鐘です。
さて、ガイドラインによる望ましい修繕積立金の額の目安の平均値は・・・
1㎡あたり200円という結果となりました。
いかがでしょうか?皆さんのマンションでは200円集めることができていますか?
もちろん、積立金金額の適正値は個別性が強く、多い少ないは一概に言えないわけですが、やはりというか、当初の想像以上に厳しい数字を突きつけられた感があります。
ちなみに、私が目にする新築マンション販売のチラシでは1㎡あたり50円〜60円、1戸あたり4〜5000円くらいで、現在はグレードアップされた共用設備が増えていること、機械式駐車場など維持費のかさむ設備があることなどを考慮すると、分譲業者の相変わらずの無神経ぶりに失望感を持たずにはいられません。
このガイドラインを期に、修繕積立金はある程度の金額が必要で、早い段階から準備し、一定水準に引き上げることが必要という認識を1人でも多くの区分所有者に持ってもらうことを切に願います。
[2011年6月17日]