最近の分譲マンションのチラシにまた新しいマンションの登場を感じています。
それは、高齢者向け分譲マンションというものです。
従来の分譲マンションの仕様に加え、手すりやスロープ等のバリアフリー対応はもちろん、大浴場、サウナ、レストラン、カラオケルーム、サークルルーム、囲碁・将棋室、理美容室、図書室、茶室(和室)、ゲストルームなどが備えられ、マンション内に設置されたクリニックや提携先の病院から訪問診療サービスも受けられるといった医療サービスが売りのマンションです。
不動産管連業の私などから見ればまた新手のマンションが売り出されたか、という程度ですが、高齢の方など人によっては、有料老人ホーム等との比較など、最後の住み替え先として検討している方が多数いらっしゃるようです。
販売業者のセールストークはズバリ、「有料老人ホームは払いっぱなしですが、分譲マンションなら資産としてお子様などに残せます!」というものです。なんか、賃貸マンション居住の人に対する分譲マンションのセールストークみたい・・・(苦笑)
では、勝手ながら私がこの高齢者向け分譲マンションに物申しましょう。
資産として考えるならリスクは大きいです!!
なぜか?これらの物件は高付加価値のため、管理費はワンルームタイプでも6万円位します。ファミリータイプなら10万円です。そしてサービス提供は販売業者とは無関係の民間会社がほとんどです。サービス品質の期待はずれは大いに考えられます。それに将来、値上げや撤退があるかもしれません。
入居してからこれらの不満があったら・・・区分所有者ですから簡単に退去できません。
退去や相続で「もういらない、売却する」となった場合、果たして適正価格で売れるのでしょうか。(相場が形成されるかどうか・・・?)
空き家で所有し続けると、管理費10万プラス修繕積立金を毎月払い続けなければなりません。そのうち滞納が増え、いずれ売却価格を滞納金額が上回る事態になったら・・・
怖くてとてもこれ以上は書けません。
このコラムは現物を見ず、手元資料だけの情報で書いていますから私の考えがすべてだと申し上げるつもりは毛頭ないですが、将来価値という面では不明な部分は否めないと思います。
もし、具体的に検討を始めておられるのであれば、少し慎重になることをお勧めします。
不安な点はしっかり確認して、十分に納得してご購入ください。
[2009年12月15日]