昨今は値上げばかりで、会計が苦しい高経年マンションには朗報かもしれません。
今年7月に新しい仕組みのマンション用保険が発売されるのです。
その名は「マンションドクター火災保険」。日新火災海上から発売です。
近年、高経年マンションでは新規契約を拒否されたり、保険更新時にはビックリするような値上げ額が提示されたりして戸惑うことが多くありました。
これは施設賠償責任等の保険事故が高経年マンションで多発し、保険金の支出が増えているからです。保険会社は商売にならない相手には冷たいのです。
しかし、こういう状況になると適切に管理運営する高経年マンションには不満が募ります。単に築年数だけで判断してもらっては困る!となるわけです。
このようなマンション管理組合向けに発売されるのがこの保険です。
管理状況が良好な場合は、保険料を20%〜30%程度割り引き、極めて良好な場合は築浅物件と同程度の保険料まで下げますよ!という仕組みになっています。(具体的な割引率はまだ正式に確定していません。)
管理状況の判定はマンション管理士が行います。管理士が目視や書類チェック、工事履歴など14項目を診断します。
私も先日、この診断業務をするための講習に参加してきました。
「なかなかよく考えてある」これが第1印象です。
点検結果や工事履歴をきっちりと保管してあることが第1の関門で、第2の関門が専有部分を含めて管の更新(または更生)ができていることです。
共用管については更新できているマンションは多いでしょうが、費用負担の問題もあり、専有部分も含めてとなるとどのマンションでもできているわけではないでしょうね。
でも、保険に加入しなくても無料で診断書を発行してもらえますので、保険料の削減目的の他に、組合員の目を管理に向けさせるという効果もありそうです。
理事長さんはパンフレットの取り寄せ、前向きに検討すべきではないでしょうか。
従来、マンション用の保険では日新火災はあまり存在感がなかったように思いますが、これはなかなか良い商品を開発したと思います。
マンション保険業界の台風の目になるような気がしています。
[2015年3月19日]