先日(6月)、東京のタワーマンションで高層階からペットボトルが投げられ、通行人がケガをするという事件がマスコミを賑わせました。
実はこの事件、高層マンションではどの管理組合も恐怖を感じている事象なのです。
マンションはたて方向の長屋です。たてに延びれば延びるほど様々な人が存在するわけで、時には常識で理解できない行動や現象が発生するのです。
落下物事故には過去に死亡事例や逮捕者も出ています。マンション管理組合にとっては頭が痛い問題の1つと言えるでしょう。
ここでよく議論となるのは、万一事故が発生した場合、管理責任をマンション管理組合側が問われることはないのか?ということです。
この論点については、業界紙であるマンション管理新聞の7月5日号で取り上げており、記事ではマンション管理に精通した有名弁護士ばかりに取材していますので、十分参考になると思われます。
一部をご紹介します。
管理組合が責任を問われるか、という点については各弁護士とも「問われない」の回答です。
中庭側であれば落下物防止対策が取られているかという点で責任を問われる可能性はあるかもしれないが、基本的に管理組合に過失がないので責任はないとのことです。
また、落下物の犯人捜しに協力する義務があるかどうかについても、法的には「ない」ようです。
被害者や警察等の要請に協力するなど道義的な対応は別として、落下物事件において、管理組合の責任はなし、と言えそうですね。
しかし、一個人としてとても他人事とは思えない高層建物からの落下物。管理側の責任は問えないとのことですから、自衛しか方法がなさそうです。
とは言え、上ばかり見て歩くなど出来ませんし、歩くルートを変えるというのも限界があります。
この問題は都会で生活する者の新たなリスクとして、各自が認識するしかないのかもしれませんね。
[2015年7月11日]