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コ ラ ム

マンション内の重大事故の扱い方

 平成28年7月29日、国交省よりマンション標準管理委託契約書の改正が発表されました。

 改正内容そのものは軽微といいますか、マンションをしっかり利用中の組合員にとっては直接的な関連性は低い内容なのですが、少し考えてみたい内容がありますのでご紹介します。

 これをお読みの方には当たり前の内容ですが、マンション標準管理委託契約書とは管理会社との管理委託契約締結時に参考とするお手本のことです。

 改正点は、管理組合の財務や管理に関する情報を、宅建業者が中古マンションの購入予定者に重要事項として説明する内容が拡大されたということです。

 本来であれば外部に開示することのない財務情報などを開示することになりますが、これは購入予定者の利益の保護といいますか、宅建業法の要請により中古マンションの売買トラブル防止の観点からある程度はやむを得ない情報提供といえるでしょう。

 具体的に言えば、管理組合会計のうち、管理費、修繕積立金とも収支総額を開示しなければなりませんし、全体の滞納状況も開示します。
 また、今後は共用部分の修繕履歴に加え、大規模修繕の予定の有無についても開示します。
 細かなところでは、損害保険の内容や役員の選任方法(立候補・輪番など)、ゴミ出し情報なども開示項目です。
 そして私が気になっている「敷地及び共用部分における重大事故・事件があればその内容」という項目があるのです。

 不動産取引において、買主が購入判断する際の重要事項に、心理的瑕疵(かし)というものがあります。
 物件における自殺や殺人、火災等が発生した過去があれば、購入予定者の利益の保護のため、一定の範囲でその内容を説明しなければならないのです。

 もちろん、専有部分でそのような事件や事故が発生した場合は、議論の余地がないと思いますが、今回追加された内容は、敷地及び共用部分で発生した場合であっても情報提供しなければならないということです。

 しかし、個人的な考えを言わせていただければ、これ、範囲が広すぎると思います。
 マンションの総戸数が30戸などの場合であれば理解もできますが、一律に、例えば300戸を超えるようなマンションでも開示が必要でしょうか。
 角部屋の重要事項説明書に、真反対側の敷地内で発生した事故歴を記載する必要があるでしょうか。

 マンションの階数にもよるでしょうが、築20年や30年ともなれば飛び降り等発生したとしてもそれほど特異なことでもないように思います。
 あくまでも当該住戸に対する影響を考慮すべきで、マンション内で事故が発生しても住戸と遠ければ、町内で発生したような扱いでよいのではないかと思うのです。

 そもそも心理的瑕疵については線引きが難しい項目でもあります。
 過去に数多くの判例があり、例えば自殺の場合でも10年前なら説明義務があるが、20年前なら説明しなくてもよいなんてことはないのです。

 とは言え、改正標準管理委託契約書にはコメント欄にこのような記述があります。

 「該当事項の個別性が高いと想定されるものについては、該当事項ごとに管理組合に開示の可否を確認し、承認を得た上で開示することとすることも考えられる。」
 つまり、管理組合が開示しないことを決めれば開示しなくても済むようです。

 それならこの項目、なぜ追加したんでしょう?実質、骨抜きになっているのではないですか。
 購入予定者が嫌がる情報を、期限も定まっていないデメリットを、資産価値が低下する可能性のある繊細な情報を、あえて公表する管理組合があるでしょうか。

 この項目がこれからどのように扱われるか、正直いって私もよくわからないのですが、各管理会社の今後の対応を注視したいと思います。

[2016年10月14日]