2月ないし3月が年度末という管理組合が最も多く、その時期が役員改選時期と重なるため、今が管理組合の新役員を決める時期だと言えると思います。
役員の選任方法はマンションによって違うわけですが、どのマンションでも役員のなり手不足には頭を悩ませておられることでしょう。
さて、輪番で役員の順番が回ってきたものの、仕事が多忙である、体調が悪いなどの理由で役員を辞退される方が一定数おられるわけですが、役員就任の辞退は認められるのでしょうか? また、役員を辞退する場合には制裁金等の負担金を支払えば許されるという細則などのルールは正しい運営方法と言えるのでしょうか?
まず、役員就任への辞退は法的には認められると解釈できます。
役員への就任は、民法上の委任契約にあたりますので、契約成立には相手方の受諾が必要です。
一般論としては順番だから、仕方がないからと渋々役員を引き受けるわけで、もちろん辞退することには道義的な問題が発生しますが、嫌だと言っている者の首根っこをつかまえて引っ張ってくるというわけにはいかないのです。
しかし、役員を引き受けた者からは不公平だ、というクレームが出るのは当然です。そこで、役員辞退者に対して、一種の制裁的な負担を課してこの不公平感を和らげようというルール設定は有効でしょうか。
これについては、ルールとしては問題ないと思われますが、私としては慎重に対応してくださいとお願いする事案になります。
役員を務めるという責務はお金には換算しがたいものですから、仮に制裁金を受け取ったとしても全員が得心するわけではないでしょう。一方、支払った者にすれば、金銭負担したことにより義務を果たしたことになり、管理組合に対する無関心や一層の非協力体制が強まることでしょう。
まあ見方を変えてみれば、非協力的な人物とストレスを抱えながら組合運営していくより、理解のある人たちと仲良く、楽しく理事会を開いた方が充実した組合運営できる可能性が高いわけです。この問題に妙案はないわけですが、イライラせず、柔軟に対応していきたいですね。
[2013年3月22日]