不動産経済研究所が1月19日にまとめた平成22年の近畿圏マンション市場動向によれば、発売戸数が前年比9.8%増の2万1716戸で3年ぶりに増加しました。
また、22年の月間契約率も8.9%上昇の70.2%と2年連続のプラスとなり、同研究所が好調ラインと判断する70%超えとなりました。
つまり、マンションは今売れているということです。人気が戻っているのです。
マイホームを取得する場合、一戸建てかマンションかを検討することになります。
一戸建ては高価なためそれまでのステップとしてマンションを購入する、という時代が過去にありましたが、今は誰もそんなことは考えず、(大都市部以外は)自らのライフスタイルから一戸建てかマンションか選択しているわけです。
私見ではありますが、子育て期にはマンションが便利です。必然的にコミュニティがありますので、子供には何かと都合がよいです。
また、高齢期にもマンションが有利です。移動が平面で済みますし、鍵ひとつで外出できます。それに一戸建てに比べればコンパクトなため、掃除やメンテナンスが楽です。
その代わり、居住ルールがあり多少の気遣いが必要、とか、共用部の管理のため役員が回ってくる、管理が自分の思い通りにはならないことがある、などといった制約も当然にあります。
マンション販売上の最大の問題点は、この制約の部分を一切告知せず、購入者側も認識することなく共用部分の共有者となることでしょう。
よって、築後十数年は何とかなるものの、放置すれば放置するほど気付いたときには身動き取れない、にっちもさっちも行かない、といった状況に陥るのだと思います。
つまり、建物も居住者も元気一杯の子育て期を越えたマンションでは、高年期に再び快適さを享受するために、それなりの準備と覚悟が必要となるわけです。
私は分譲マンションにも勝ち組と負け組があると考えており、勝ち組マンションにはそれなりの理由があると考えます。
その理由に一人でも多くの居住者が気付けば、勝ち組マンション、つまり住みやすくなかなか値が下がらないマイホームになるのだと考えています。
[2011年1月31日]