来たる大地震に対する恐怖心もさることながら、尋常でない大雨による被害も記憶に新しく、あらゆる防災対策について本気で考えなければならない世の中になったと実感しています。
自らの家庭をかえりみてまだまだ防災意識が足りないことを反省する昨今ですが、よそのお宅、または他のマンション管理組合ではどの程度の意識を持っているのか気になるところでもあります。
これについては、先日のコラムでもご紹介した国土交通省の「マンション総合調査」で地域別の集計があり、関東では防災意識が高いと何となく感じることができましたが、それほど明確に地域性を感じる結果は出ていませんでした。
ところが今般、木造住宅の耐震化を志向する団体、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)がまとめた「地域別にみる防災意識と備えの実態」に、はっきりと傾向を読み取ることができたため、それをご紹介したいと思います。
アンケートへのリンク その傾向とはまず、日本国内での東日本大震災クラスの地震を地域差なく9割弱の人が予想しているが、自分がその被害にあうと予想している人は関東と中部で7割、関西は6割で、多い地域と少ない地域とは実に最大25%もの差があったというものです。
地震被害への意識は北海道や東北、中国、四国、九州が低い結果となりましたが、これは首都圏直下地震や南海トラフによる連動型大地震に対する報道の影響が大きく影響しているものだと思われます。
また、都市圏である関東と中部、関西に注目して見ると、もう1つの傾向が表れます。
それは、関西人の地震に対する備えの脆弱さです。
木造住宅での耐震性には地域ごとのバラつきがあり、中部と関西の耐震性が低くなっています。
ところが、関東や中部では(補強工事など)地震対策の実施率が高くなっていますが、関西は7%程度低くなっているのです。
つまり、関西の住宅は耐震性が低い割に対策されていない。関西人は地震被害に対する意識はあるが、行動が伴っていない、ということになります。
何となく予想通りのような気もしますが、マンション管理組合で防災対策を検討する場合には、そういった関西人気質も考慮しながら進めるようアドバイスしていきたいと思ったアンケート結果でした。
[2014年9月13日]