皆さん、水道料金はどのように支払われているかご存知ですか?
大概のマンションでは市の水道局はマンションの親メーターの検針しか行わず、管理会社が各家庭の子メーターを検針し、集金するシステムをとっています。つまり、未払いがあっても市は取りはぐれず、管理組合が回収しなければならない仕組みになっています。
ここで問題となるのが、水道使用料が滞納され、滞納住戸が競売になった場合です。
管理費と修繕積立金は法律で守られており、特定承継人(競売住戸を買って区分所有者になった人)が支払わなければならないのですが、使用料は契約に基づく費用のため、特定承継人に支払い義務はなく、本人から徴収できなければ管理組合が泣き寝入りという実態がありました。
これは、たとえ管理規約に「滞納使用料を特定承継人が納める」という規定をおいてもグレーゾーン、言い換えれば法解釈上、回収は難しいという判断がなされていました。
しかしこのたび、管理組合にとってありがたい判例が出されたのです。
昨年の大阪高裁の判例で、「管理組合が徴収することに合理性があり、管理規約に規定があれば、特定承継人は支払い義務を負う」と判断されたのです。(高裁の判例ですので意味があります。)
従って、今後は管理規約に明記すれば、滞納水道料の取りはぐれが防げることとなります。今まで専門知識のある競落業者に必ず主張され、管理組合は悔しい思いをしていましたが、ようやく当たり前の主張が主張として通ることになります。
今後の保険の意味も含めて、ぜひ規約の改正をお勧めします。
(クイズ上級編)これができたらあなたは相当な法律事情通!
滞納管理費等について、管理組合は特定承継人や包括承継人(相続人のこと)に請求できますが、実は請求が認められていない人がいます。それは誰でしょう?
→正解は次号で!
[2009年9月21日]