1ヶ月ほど前のことですが、ある講習に参加させてもらいましたので、その講習について少しご紹介したいと思います。
その講習とは、「机上防災訓練ファシリテーター育成編(Pro版)」と言います。
ある管理会社が主催していますが、マンション管理士や防災士を受講者として企画されたかなりマニアックな講習です。
震災はじめ自然災害や防災の知識を指南するセミナーやイベントなどは度々目にしますし、私も過去に何度か参加したことがあります。
ところがこの講習は、分譲マンションで起こった自然災害に対して、居住者が物理的・精神的にどんな備えをするべきか自分たちで考えるための支援(ファシリテーション)スキルを指導するためのものです。
なるほど、普通の防災セミナーや避難訓練などはもちろん有意義なものではありますが、やっぱり受け身というかイベントに参加すること自体が目的になってしまい、実際にどの程度活用できるかは正直わからないという実感がありますよね。
知らないより知ってた方がよい、やらないよりはまし、のような感覚です。
そんな上方向からの伝達ではなく、防災〜避難を能動的に捉えるための活動を支援する、それがこの講習の目的なのです。
講習は大変有意義なものでした。
マンションならではの特徴により、一般の常識が非常識になる場合があるという知識を整理して学ぶことができましたし、ファシリテーションはコンサルタントの業務そのものだと思いました。
でも、ファシリテーションには相当高いスキルが必要だというのも実感しました。
この講習は、万人のための防災訓練ではなく、小規模から中規模マンションにおいて居住者の中のリーダー候補生を対象にイベントを行うケースで役に立ちそうです。
しかし、名前は伏せますが主催した管理会社、ここがこんなに防災について力を入れているということを今まで知りませんでした。すみません…。
それに、自社社員でなく、外部のマンション管理士等に無償でノウハウを開放してくれていることにも感激しました。本当にありがとうございました。
自社(管理会社)ファンを作り、将来の営業に役立てるという戦略は、マーケティングではポピュラーな方法なのでしょうが、マンション管理の世界でもこの戦略を実践している管理会社があるとは驚きです。
成果が出るまでには時間もかかるでしょうし、感服いたしました。
個人的にですが、この管理会社は今後注目していきたいと思います。
[2017年4月20日]