平成22年5月1日より、マンション管理適正化法の改正施行規則が施行されます。
改正に伴い、マンション標準管理委託契約書についても改訂され、管理会社との管理委託契約も一部変更となります。
変更内容は改正施行規則との整合性を図ったものが中心です。
具体的には、「財産の分別管理」方法の変更が最も大きな変更点といえるでしょう。
昨今、一般紙でも管理会社職員の管理組合財産の横領が記事として取り上げられるようになってきましたが、業界紙では、毎月のように紙面を賑わせています。
ほとんどのケースは、小口現金を本社に送付せず着服するといった単純なものなのですが、中には伝票金額の改ざんなど悪質なケースも存在し、業界では不正できない仕組み作りが課題となっているのです。
今回の改訂は、管理組合財産を守るという観点から、管理費等の収納口座には多額の現金を滞留させないようルール変更を行っています。
収納口座のお金は1ヶ月以内に保管口座、つまり修繕積立金の口座に振り替え、保管口座の印鑑は管理会社が保有してはならないとしました。
とは言え、現実的にはこのような変更で実際に横領などの犯罪が防げるかといわれれば疑問を感じざるを得ないでしょう。
横領するのは管理会社職員だけではないわけですし・・・。
結局は、管理組合が自ら財産を守るという意識で日々管理することが唯一の方法となるわけです。
その他の変更点といえば、月次の収支報告が義務付けられた、長期修繕計画の作成業務が別契約となった、住戸の仲介を行う不動産会社に対し管理規約等の提供や情報開示内容が追加された、個人情報保護の規定が追加された、などがありますが、大きな変更ではありません。
つまり、管理委託契約は変更するけれど、実質的な契約形態に大きな変更は生じないといえると思います。
少なくとも管理組合側で変更について対応すべき点はなく、管理会社側では手続きや業務の進め方を変更する必要が生じ、若干、手間が増加するといったところのようです。
今回は、法改正に伴う、手続きの変更についてお知らせしました。
[2010年4月22日]